外来受診や付き添いで感じること
昨夏の頃でした。母は身体の不調を私に伝えてきました。
症状が2週間程度続く場合は近医の受診を勧めました。
昨秋のことです。母はクリニックから地域連携室を通じて、総合病院へ紹介されました。
「受診は必ず家族と一緒にするように」と念を押されたそうです。
一緒に診察室に入ると、医師は画像を見ながら「検査を受けた病院でどのように聞かれていますか?」と母に尋ねました。「えーと、先生に言われたのは・・・」と母が言っているにも関わらず、回答を待つことなく「この画像から判断すると癌ですね。こちらでも正確な状態をするために検査をします。」と説明されました。
その瞬間、母は様子から頭が真っ白になっていることが伝わりました。
検査を受けた病院からは「もしかしたら悪いものかもしれないから、大きな病院を紹介しましょう。」という説明程度で留められていたためです。のちに母は「もしかしたら悪いものかもしれない=癌とは思っていなかったし、先生の話が全然頭に入ってこなかった」と話してくれました。
事実、いつも気になることはすぐにメモを取る母の手帳には、何も書かれていませんでした。
病院は外来受診患者に対して、正確な診断をするために診察・検査・治療を滞りなく進めることが求められます。しかし、時に患者は医師の説明に戸惑ったり、病状によっては『まさか自分が?』と頭が真っ白になり、説明が耳に入ってこなかったり、『必要性が分からず、言われるがままに』検査を受けたり、言われるがままに治療は受け、医療者が思う以上に疑問や不安を感じているケースがあります。
私自身も子宮筋腫の定期受診の際、経過観察中から「5cmになったから、全摘しかありませんね。」と言われた時は看護師でありながら衝撃を受け、目の前が真っ白になりました。
(昨冬、子宮全摘をすることなく子宮鏡で筋腫を取っていただきました。)
「疑問や不安をはじめ、納得ができない時はその場で医師や看護師に伝えればいい」と思われるかもしれませんが、その場ですぐに伝えることができる人は一握りです。伝えられない理由はその場の雰囲気、患者の理解度・気質・気性など複雑に関係していると思われます。
本来は診察室の中に看護師が同席し、医師の説明時に患者の表情や言動など細部にわたり観察したり、不安の程度や理解度をその場で把握することで、次の看護に生かすことができます。
しかし、現在の医療の現場では上記ような患者に寄り添った行き届いた看護ができず、葛藤を抱えている看護師がいることも事実です。そのため、患者が安心して受診できるように病院の外来体制を変えようと動かれている現場の看護師や全国のメッセンジャーナースにとても期待しています。
微力ながら私や母が経験したことを活かし、患者が感じる不安・不納得・不信感を解消できるように、病院の受診や診察室付き添い、術前説明の同席、インフォームド・コンセント、セカンドオピニオン同席など中立な立場でサポートをしています。
ご家族様が遠方にお住まいの方、ご家族様がお仕事で付き添いができない場合にはメッセンジャーナース認定看護師が同行していますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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